窯の話

薪窯には、登り窯・蛇窯・穴窯などがあり、松韻窯では穴窯を用いて焼成しています。
穴窯は、作品を焼く焼成室と燃料(薪)を燃やす燃焼室が一体になっており、作品は火前と火裏、熾(薪などの燃えさし)によっても表情が変わり、それぞれ個性ある作風がみられます。薪割・窯の空焚き・窯詰め・窯焚きと多くの段階を経て作品を焼いていきます。



【 薪割 】
焙り焚き・攻め炊きによって、薪の種類や大きさを変えるため、選り分ながら薪割りをします。



【 窯の空焚き 】
窯内の湿度が高いと、焼き上げるときに作品が割れる恐れがあるため、空焚きを行います。



【 窯詰 】
炎の流れや焼き上がりを想定しながら、作品の数量、配置を調整してます。
窯詰めの作業だけでも4 ~5日ほどかかります。





【 窯焚き 】


焙り焚きに4日かけ、徐々に窯内の温度を上げていきます。1000度あたりから70~80本の 薪を投げ込み、窯内の作品がくっきりと見えてくるまで攻め焚きを行います。火を止めてからは4~5日 かけてゆっくり窯を冷まし、窯出しに入ります。




煙突からは炎が



攻め焚きでは一晩中温度を上げながら焚き続けます。


窯の入り口を粘土で塞ぎ、空気を遮断して火を落とす。


火を落として4日目。 まだ熾が残っていて取り出せません。


【 窯出し 】



狙った様に焼けるものや、温度が高すぎてへたってしまう器、想像以上の焼き上がりの茶碗など大変な手間と労力がかかりますが、二つと無い作品と出会えるのが薪窯の醍醐味。